遂に日本公開!『さすらいの女神(ディーバ)たち』Tournée 公開初日に鑑賞☆

マチュー・アマルリック監督作品『さすらいの女神(ディーバ)たち』張り切って公開初日の初回に観に行きましたー!

今年1月にマチューが来日した「マチュー・アマルリック特集@日仏」でも観てるし、フランスでDVDも買ってるんだけど、これは何度も何度も劇場で見る価値あり!
シネフィルマチューの、映画に対する熱い思いや愛情、そして女性への尊敬の念が凝縮された作品。
現在、2011年日本公開作品で私的No.1なのです!!

フランス映画がちょっと苦手…という方も、是非!
これはフランス映画ではありません。映画の、女性の、人生の讃歌です。

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アメリカ帰りの元テレビプロデューサー、ジョアキム(マチュー・アマルリック)が率いるニュー・バーレスクのダンサーたちは、フランスの港町を転々としながら公演を続けている。パリでの公演を成功させたいジョアキムはかつての仕事仲間に会いにいくが、トラブルを起こしてテレビ業界を干された彼は相手にされず……。

以下、ネタバレ含みます…

ルアーヴル ⇒ ナント ⇒ サン=ナゼール ⇒ パリ ⇒ ラ・ロシェル ⇒ オレロン島

故郷フランスに行く先々で
なんともうだつが上がらない奴。。。

本当はジョアキム役をパウロ・ブランコ(200本以上の製作に関わる超敏腕映画プロデューサー)に依頼していたらしいのですが…いや、この役はもうマチュー以外考えられませんってば!!!
ジョアキンは知人にことごとく見放され(その後のシーンで放つ「オレにはコネがある」っていう台詞がやけに虚しい)、そして殴られてかなり間抜けに道路に潰れ伏す。
あー!もう!ダメダメレベルが高すぎて、母性本能をくすぐられる。
マチューを好きなのはこのダメ男役にあることを再確認。
(ゆえに、アシスタントのユリスにも密かに萌えるのだがね。)

ジョアキムは、アンベール・バルザンをイメージした役なのだそう。
(バルザンは『あの夏の子供たち』の父親役のモデルで、自殺した映画プロデューサー)
自らを死に追いやるような切羽詰った状況といつも背中合わせな職業なわけですね。。。
自分のかっこ悪い部分を見せたくなくって強がって。でもやることなすこと裏目に出ちゃって。

そのダメ男を取り巻くバーレスクのダンサーたちの懐の深さにも胸が熱くなるー。

ジュリーがいちばん芸達者ね。
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以下、好きなシーンを箇条書きで。

・ガソリンスタンドでの店員(オレリア・プティ)とのやりとり。
それまで散々「音楽をきってくれ」と頼むも拒否され続けてきたのに、この店員はさくっとミュート状態にする。
恋を覚えたてのような、恥ずかしくなるくらいの初々しい会話のやりとり。
髪をほどく仕草は、彼女のほうれい線が気にならないくらいにドキッとくる。

・ピザが宅配されたときの、若干遠目からのカット
ごちそうを目の前にした人間のサガというか。女同士だとあんな感じよねー、となんか共感。

・子供たちをベッドに寝かしつけようとして、無理矢理お話を作ろうとするジョアキム
生意気なガキ…いやもとい、愛息子たちに見せる父親の顔が好きだ。
なんとしてでも父親の面目を保ちたい!って必死なんだもの。くう。

・行為の後にカーテンから漏れる光、ジョアキンの涙
言うまでもなく。

そして一番好きなのはラストのラスト。

「ショータイム!」

の、後!
何度見ても、ハートを撃たれたような衝撃。「アゥ!!」

エンドロールのゲップもね。バーレスクと一緒にこれからも旅するようなワクワク感を残しながら。

カエルマチュー率いるバーレスクは永遠也、そして人生は、旅は続くよ、どこまでもー!!
と、鑑賞後の快感は私の稚拙な表現力では伝わらないので---

是非劇場でご覧ください!!!

潜水服は蝶の夢を見る [DVD]

パンフレットの中で、マチューは「日本の女性はダイエットの必要がない」「ありのままの肉体がいかに美しいか」とインタビューに答えているけど、私は忘れない。今年の来日時に「僕はジャンヌ・バリバールのような細い女性が好みで…」と言っていたのを。

そしてまあ何がビックリしたって、ミミが普段はコンピュータ関連のお仕事をしてるってことだね!

アルノー・デプレシャン DVD-BOX

ああ、そうそう、マチュー出演作品『チキンとプラム』はTIFFで上映されるね。(なぜ平日の午前中のみなのだ…号泣)
今まで特別上映されてきたアラン・レネの『風にそよぐ草』も一般公開が12月に決まったねーー

マチュー旋風。
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そしてマチューは10月4日~30日まで、パリで舞台!!
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うー、パリに行きたい。